きみがふわりとことばをはなった


あたまに あふれる ものがあって
それが 青い 一線に あつまって
ずどん。

ぼくじゃなくて きみをねらうつもりだったのに。

「今は小説じゃなくて、映画をみたいんだよ。」

せかいのかたちをひかりでとらえたかったんだ。
それをことばにおさめたかったんだ。

そう思うことが罪だったのか?
じゃあ その罪は

どこにいくというんだよ。

きみがつきさしたことばが
夜のうちにそっとめざめて
にげだしもせず
部屋の隅っこで膝を抱えて
ぼくを見ている。

どこにいけというんだよ。

たぶん どこにもいけないよ。


結局のところ、いちばんばかなのは
きみの容易いことばを勝手に罰だとうけとめて
しにたくなっている ぼくだ。




* 110401