「とおくまでいこうか」


そういって、
あしもとを失ったきみはひそやかにわらうのである

さくらの散りぎわがうつくしいというのなら
きみはたぶん、いまがいちばんうつくしいんだとおもうよ


砂がきみの両足をうずめていく
ゆめがゆるりと首をしめた
きみのうしろすがた、
やっぱりどうやっても追いつけるきがしないよ

ほら、ぼくは臆病だから。



きみをきずつけようとすることばを、ぼくは喉奥でかろうじて殺した。
瞼のうらで、水色が燃えおちた。



どこにもいけないことを、



* 110415