するりと通り抜けていった
きみの

すけていきそうな指先
きえてしまえ とねがったのは ぼく だよ

すくうのはきっと
きみがあいしただれかじゃなくて

でたらめだらけの街を闊歩する
もののけたちの宴

きみが大人になる前に、
らくらいの泣き声をあいせるように
いちどだけ、かれらにあいたかった。

うみが全てをおおいかくすよ
そのまえにはやく、




* 110905