遠暗い雨のなか
赤い傘をからころ揺らして
彼女はひとりどこかへ帰るよ
涙がじめんに消えていくから
かなしむことなどなにもないね
きっと朝が来てしまう、
そのまえにどこかへ帰らなきゃね
どこか夜が終わらない街へ。
時計の針がぐるぐるまわる、
長針だけがぐるぐるまわる
「壊れてしまった」
きみはいうかい?
きみはきっと、しあわせなんだろうね。
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* 110906